韓国初のSF映画『怪物』(東亞日報)

純粋制作費だけで約110億ウォンが投入され、ジャンル的には初めて試みられる韓国版SF映画『怪物』は、取りあえず面白い。「怪物」の自然な演技(?)は、韓国映画の技術力に対して新しい自信を吹き込み、登場人物のキャラクターはリアルでイメージとナラティブの調和も見事だ。

緩急を適切にコントロールしながら、隋所に象徴と隠喩を敷いておいて、柔軟に人物の感情を料理するボン・ジュンホ監督の演出力が今回も目立つ。

映画の中の怪物は、毒物から誕生した一種の突然変異の淡水魚。06年の平和なある日。漢江(ハンガン)の水辺にいきなり現われた怪物は、人々を食いながら都市を極度に混乱させる。漢江べりで売店を経営する小市民の朴カンドゥ(ソン・ガンホ扮)の中学生の娘、ヒョンソも怪物に拉致される。

ヒョンソの家族は、ヒョンソが死んだとばかり思って、合同焼香所にいたが、「助けてください」というヒョンソの電話を受けて、警察と病院に助けを要請するが、かえって精神異常者扱いされる。結局、朴カンドゥと彼の父親(ビョン・ヒボン扮)、弟(朴ヘイル扮)、妹(ベ・ドゥナ)はヒョンソの救出に乗り出すのだが…。27日封切、12歳以上。


スクリーンクォーター制度で外国の映画の上映を規制しながら自国の映画を世界に向けてマンセーしている韓国ですが、SF映画を作ったことがなかったとは。ちょっと驚きでした。そういえば設定の似通った恋愛映画か北と南の痴話げんかのような戦争映画ばかりですもんね。


この映画『怪物』ですが、まずその名前はなんとかならなかったのか。怪物て。

「ゴジラ」とか「ガメラ」とか、この怪物君にはそういったネーミングがなされていないんですかね。タイトルとかネーミングって、映画のキモだろ。生命線的な部分だろ。

ま、「バンジージャンプする」とか「愛の挨拶」とか、5年くらいめまいがおさまりそうにないタイトルセンスを誇る韓国だけに致し方ないか。


しかしながら、わざわざ映画にしなくてもこの話はどこかで聞いたことがあるわけなんだが。



怪物=北朝鮮
ヒョンソ=横田めぐみさん
ヒョンソの家族=横田さんご夫妻
警察と病院=外務省と社会党
朴カンドゥの父親=小泉純一郎



というわけで、韓国初のSF映画は、日朝の情勢から設定をモリモリっとパクった映画であることが判明しました。いつもながらどうもありがとうございました。

どうせパクるんなら、怪物に息子を拉致されながら「オラ知らね~」とほざいた挙句怪物に貢物をする大韓民国のような登場人物が欲しかったところですね。